みなさん海外旅行に行くときには、なにかしらの保険に入っているかと思います。旅行先でけがをしたりものを盗まれたりといった不測の事態への備えとして保険は不可欠です。
海外旅行保険には、AIGや損保ジャパンなど保険会社に直接申し込むものと、クレジットカードに付帯するものとがありますが、みなさんどちらを利用していますか？
次のような理由で前者を利用される方が多いのではないでしょうか。
- そもそも自分のクレジットカードの保険の補償内容を把握していない。
- 保険の仕組みがいまいちよく分からないから、自分の持ってるクレジットカードで補償が十分かどうかも分からない。
あるいは、
- 補償内容は把握してるけど、自分の持っているクレジットカードは補償が薄く、おまけのような保険しか付帯していないものばかりだから心もとない。
- かといって、海外旅行保険のためだけに高い年会費を払って手厚い保険の付帯するクレジットカードに入会するのは気が引ける。だったら最初から保険会社の海外旅行保険を利用する。
つまり、クレジットカードに付帯する海外旅行保険で補償は足りるのか、保険会社の海外旅行保険に代えることができるのか、といったことが疑問が根底にあるのではないでしょうか。
せっかく付帯している海外旅行保険を使わないのは非常にもったいないことです。
もしクレジットカード付帯の海外旅行保険を保険会社の海外旅行保険の代わりとできるならば、その分保険料を節約することができますよね。
結論からいうとできるんです。クレジットカードに付帯する海外旅行保険を上手く利用すれば、保険会社の海外旅行保険の全部または一部と置き換えることができます。
そこで本記事では、クレジットカード付帯の海外旅行保険を保険会社の海外旅行保険の代わりとする方法について紹介します。
保険会社とはここが違う！クレジットカードに付帯する海外旅行保険の仕組み
保険が適用される条件：利用付帯と自動付帯
保険会社の海外旅行保険を利用する場合には、事前に保険の申し込みをする必要がありますが、クレジットカードの場合はそういった手続きは不要です。
しかし、クレジットカード付帯の海外旅行保険には利用付帯と自動付帯があり、利用付帯の場合には注意が必要です。
利用付帯の海外旅行保険は、日本を出国する以前に、公共交通機関（航空機、電車、バスなど）やツアー旅行の料金を当該クレジットカードで支払いした場合にのみ適用されます。
それに対し、自動付帯の海外旅行保険に適用条件はなく、当該クレジットカードを持っているだけで適用されます。
何もしなくても海外旅行保険が適用される自動付帯のほうが有利であることは明らかですね。
補償範囲
一般的に、クレジットカードに付帯する海外旅行保険には次のような補償が含まれています。
- 傷害死亡・後遺障害
- 傷害治療費用
- 疾病治療費用
- 賠償責任
- 救援者費用
- 携行品損害
大事なのは治療費用と携行品損害
この中でも、傷害治療費用と疾病治療費用は重要です。普段と異なる気候や文化の中で過ごすことから、体調を崩したりけがをしたりするリスクは高まります。
しかも、海外の医療費は日本よりも高くなりがちです。アメリカで盲腸の手術をしたら300万円かかったというような話は聞いたことがあるかと思います。治療費用としては500万円程度は補償が欲しいところです。
また、携行品損害も重要です。海外は日本より治安の悪いところがほとんどです。パスポートやカメラ、時計などの貴重品の盗難・破損に対してもしっかり補償が必要です。
自分が持っていく荷物を確認して、どれくらいの補償が必要になるか検討しましょう。私の場合、高価な貴重品としては一眼レフのカメラとスマートフォンくらいしか持っていかないので20万円くらいの補償で十分です。
「最高補償額○○○○万円」は重要じゃない？
ちなみに、クレジットカードのサイトやチラシで「海外旅行保険の最高補償額2,000万円」とだけ書いてあるような表記を見かけますが、これは傷害死亡・後遺障害の額を指していることが多く、治療費用や携行品損害が2,000万円まで補償されるわけではありません。
「すごい！そんなに補償してくれるんだ！」と喜ぶ前に、何がどのくらいまで補償されるのかということを確認しておいたほうがいいでしょう。
なお、傷害死亡・後遺障害は滅多に起きるものではありませんので、傷害死亡・後遺障害の額についてはそれほど気にしなくてもいいかと思います。
補償されないもの
疾病死亡はない
クレジットカード付帯の海外旅行保険に傷害死亡（けがによる死亡）はありますが疾病死亡（病気による死亡）はありません。個人的にはそれほど必要のない補償だと思いますが、不安な方は保険会社の保険に加入したほうがいいでしょう。
航空機遅延費用や航空機寄託手荷物遅延等費用も基本的にはない
航空機遅延費用は、自分の乗る予定だった飛行機が遅延や欠航した場合にホテル代や食事代を補償してくれます。
航空機寄託手荷物遅延等費用は、飛行機へ乗るときに航空会社に預けた手荷物の到着が遅れた場合に身の回り品などの費用を補償してくれます。いわゆるロストバゲージ（ディレイバゲージ）への補償です。
飛行機の遅延・欠航やロストバゲージはそう珍しいものではありませんが、これらの補償の付帯したクレジットカードはかなり限られています。航空機遅延費用の補償が付帯するクレジットカードの例としてはアメックス スカイトラベラーなどがあります。
こちらの記事で詳しく紹介しています。
そういったカードを持っておらず、かつ補償が必要であれば保険会社の保険に加入したほうがいいでしょう。
次のページでは、実際にクレジットカード付帯の保険ではどのくらい補償されるのか具体例を交えてご紹介します。
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